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第167回『小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く』

災害や戦乱を克明に描き、人の世の無常観を伝えるとされる『方丈記』。建築の専門家である著者は「生活の場」の方丈庵に焦点を当て、鴨長明を一人の生活者として浮かび上がらせます。長明は都から離れ、孤独な暮らしをしていたように思われますが、実は山守の親子と交流していたようなのです。小童と山を散策する楽し気な様子が『方丈記』第三十一段に描かれています。そのことを初めて知った私は第三十一段を読み返しました。この山守との交流を通じて「終の棲家は長明の再生の場」となったという著者の一文が大変印象的です。

『小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く』

『小さな家の思想 方丈記を建築で読み解く』(文春新書 1281) 長尾 重武/著 文藝春秋 2022.6(都立中央図書館請求記号:/527.0/5855/2022)

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